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Unreal Engine × LKG — プラグイン導入からキルト出力まで

概要

本記事では、Unreal Engine(UE)を使って Looking Glass(LKG)向けのキルト画像・動画を出力するワークフローを解説します。 松崎による UE プラグインの導入検証と、村井による Postshot + UE パイプラインの検証結果を統合し、環境構築からキルト出力までの手順を体系的にまとめています。

主に以下の内容をカバーします。

  1. UE + HoloPlay プラグインの環境構築 --- バージョン選定からインストールまで
  2. Postshot 連携 --- 3DGS 点群を UE に取り込むパイプライン
  3. キルト画像の出力 --- Movie Render Queue を使った静止画キルトの生成
  4. キルト動画の出力 --- フレーム単位出力から動画への変換

UE 5.3 および 5.4 での動作が確認されていますが、安定性の面では UE 5.3 を推奨 します。


環境構築(UE + LKG Plugin)

Unreal Engine のインストール

Epic Games Launcher から Unreal Engine をインストールします。 デフォルトでは最新バージョン(5.6 など)がインストールされるため、必ず 5.3 または 5.4 を指定して インストールしてください。

バージョン選定の注意

松崎の検証では UE 5.4 でプラグインのビルドエラーが発生し、最終的に UE 5.3 に切り替えて安定動作 しました。 村井の検証では Postshot との互換性を考慮して UE 5.4 を使用しています。 用途に応じて適切なバージョンを選択してください。

HoloPlay プラグインのダウンロード

Looking Glass 公式サイトからプラグインをダウンロードし、ZIP を展開しておきます。

展開すると、対応する UE バージョンの数字がフォルダ名になったフォルダが出てきます。

エンジンへのプラグイン配置

エンジンのプラグインフォルダ内に ThirdParty フォルダがなければ作成します。

例: C:\Program Files\Epic Games\UE_5.3\Engine\Plugins\ThirdParty

作成した ThirdParty フォルダの中に、対応バージョンのプラグインフォルダをコピーしてください。

プロジェクトへのプラグイン配置

  1. 新しいプロジェクトを作成します(テンプレートは任意です)
  2. プロジェクトフォルダ直下に Plugins フォルダを新規作成します
プロジェクトフォルダを開く方法
  1. ダウンロードしたプラグインの HoloPlay フォルダを Plugins フォルダにコピーします
  2. プロジェクトを再起動します
プラグインビルド確認ダイアログ

再起動時にビルド確認ダイアログが表示されます。Yes を選択してください。

プラグインの有効化

上部メニューから 編集 > プラグイン を開き、HoloPlay プラグインにチェックを入れて、指示に従い再起動してください。

プラグイン一覧でのHoloPlay有効化

UE 5.4 でビルドエラーが出る場合

手動ビルドを要求されてプロジェクトが開けない場合は、PC 自体を再起動 してみてください。 松崎の検証では、UE 5.3 で同じ手順を行い PC を再起動したところ問題なくインストールできました。

ビルドエラー画面

Postshot 連携

Postshot とは

Postshot は、動画から 3D Gaussian Splatting(3DGS)の点群を生成するソフトウェアです。 Unreal Engine と公式連携しており、生成した点群を UE 上でそのままレンダリングできます。

バージョン互換性

Postshot と LKG プラグインの両方に対応する UE バージョンを選ぶ必要があります。

ソフトウェア対応 UE バージョン
Postshot5.4 / 5.5 / 5.6
LKG HoloPlay プラグイン5.3 / 5.4
共通対応バージョン5.4

インストール順序

重要: プラグインの都合上、UE をインストールしたあとに Postshot をインストール してください。

Postshot のインストーラーで Unreal Engine プラグインにチェックを入れるだけで、UE 連携プラグインが自動的に導入されます。

参考記事: https://lilea.net/lab/how-to-use-postshot/

点群のインポート

  1. UE エディタを起動します
  2. Postshot のシーンファイルをエディタにドラッグ&ドロップでインポートします
  3. インポートしたデータをエディタのシーン上にドラッグ&ドロップで配置します

3DGS の品質向上のポイント

村井の検証では、元動画の視点数が点群品質に大きく影響することが確認されています。

  • Runway で生成した動画は視点数が限られ、特定方向からしか点群が生成できず破綻部分が多い
  • Midjourney に切り替えたところ、視点数が増加し点群品質が大幅に改善

Midjourney でのオービット動画生成プロンプト:

Orbit shot around the object, camera moves left to right, object stays still
Midjourneyで生成した点群(品質改善後)

シーン構築とキルト出力

HoloPlay カメラの配置

シーン上に HoloPlay カメラを追加します。

HoloPlayカメラの追加方法シーン上のHoloPlayカメラ

プレビュー

ツールバーから Open HoloPlay Window を選択すると、LKG 実機でのプレビューが表示されます。

HoloPlayプレビューウィンドウを開くボタンLKGキャプチャ用カメラの追加UI

LKG を接続した状態で、以下のボタンをクリックするとリアルタイムプレビューが開始されます。

LKGプレビュー開始ボタン

カメラ調整の注意点

Unity の HoloPlay Camera とは異なり、UE 版では フォーカス位置の直接調整ができません。 フォーカスしたい位置にオブジェクトが来るように、Near Clip やカメラの位置を相対的に調整する必要があります。

ヒエラルキーでのカメラ設定

Movie Render Queue でのキルト画像出力

  1. レベルシーケンスを追加します
レベルシーケンスの追加
  1. ウィンドウ > シネマティックス > ムービーレンダーキュー を選択します
ムービーレンダーキュー画面
  1. 静止画キルトを出力する場合は、シーケンサーで 1 フレームだけ になるように赤い縦線を調整します

  2. 三点リーダーからレンダリング設定のトグルを開きます

レンダリング設定の展開
  1. 解像度と出力フォーマットを設定します
    • LKG Go の場合: 幅 3360 x 高さ 3360 px
    • フォーマット: PNG 推奨
解像度とフォーマットの設定
  1. ムービーをキャプチャ ボタンを押すとキルト画像の出力が始まります
出力されたキルト画像

キルト画像の命名規則

出力されたファイルは、そのままでは Looking Glass Studio で認識できません。 以下の命名規則に従ってリネームしてください。

{任意の名前}_qs{列数}x{行数}_a{アスペクト比}.{拡張子}

: Cinematic_qs11x6a0.75.png

パラメータ説明Go の標準値
qsQuilt Setting の略---
列数 x 行数キルトのタイル配置11 x 6
aアスペクト比0.75

UE + Postshot の実機確認結果

村井の検証では、Blender 経由よりも UE 経由のほうが画質が綺麗になることが確認されています。

UEでのキルトレンダリング結果実機での表示結果(表面)実機での表示結果(角度違い)

裏側など破綻がある部分もありますが、カメラの角度調整で見せ方を工夫すれば綺麗に展示できます。


動画キルト出力

手順

UE のシーケンサーでオブジェクトのアニメーションを設定し、Movie Render Queue から出力します。 出力方法は静止画キルトと同じです。

動画キルトの出力過程

動画の場合、各フレームで角度が少しずつ変わるキルト画像が連番で出力されます。

出力された連番キルト画像

連番画像から動画への変換

出力される連番画像を動画にまとめるには、Blender の Video Editing 機能を使用します。

  1. Blender で File > New > Video Editing を選択します
  2. Add > Image で出力されたキルト画像をすべて選択して追加します
  3. 解像度をキルト画像と同じ値に設定します(先に解像度設定をしないと画像サイズがバグります
  4. 終了フレームを画像の枚数に合わせます
  5. Render > Render Animation で動画を出力します

出力した動画は、静止画と同じ命名規則でリネームし、Looking Glass Studio に読み込ませてください。


実写撮影での検証

村井は iPhone 13 で撮影した実写動画でも検証を行っています。

  • 撮影機材: iPhone 13
  • iPhone で撮影した動画はデータ量が大きく、点群生成に時間がかかるため(約 2.5 時間)、事前に AfterEffects で品質を少し下げる ことを推奨します
実写動画からPostshotで生成した点群

実写素材でも十分な品質のキルト画像を生成できることが確認されています。


ライセンス情報

UE + Postshot パイプラインで必要なソフトウェアのライセンスと所要時間です。

ソフトウェアライセンス / 料金主な所要時間ダウンロード先
Postshot無料点群生成: 約 2 時間 30 分https://www.jawset.com/
MidjourneyBasic プラン: $10/月(約 1,600 円)オービット動画生成: 約 10 分https://www.midjourney.com/
Unreal Engine無料(年間売上 $1M 超の場合は有料: 約 280,454 円/年)キルト出力: 約 20 分https://www.unrealengine.com/ja
Blender(動画変換用)無料連番 → 動画変換: 数分https://www.blender.org/

AI補完

AI補完: UE バージョン互換性マトリクス

以下は 2026 年 3 月時点での互換性情報です。

UE バージョンLKG HoloPlayPostshot安定性(検証結果)
5.3対応非対応松崎検証: 安定動作。プラグインの導入でトラブルなし
5.4対応対応松崎検証: ビルドエラー発生。村井検証: Postshot 連携は問題なし
5.5非対応対応LKG プラグイン未対応のため、キルト出力不可
5.6非対応対応同上

推奨: Postshot を使わない場合は UE 5.3、Postshot と連携する場合は UE 5.4 を選択してください。

AI補完: Blender ワークフローとの比較

UE と Blender はどちらも LKG 向けキルト出力に対応しています。用途に応じて使い分けてください。

比較項目Unreal EngineBlender
レンダリング品質リアルタイムレンダリングベース。Lumen による高品質な GICycles による物理ベースレンダリング。反射・屈折が正確
Postshot 連携公式プラグインで直接インポート可能3DGS Render アドオンが必要。セットアップがやや複雑
3DGS 点群の画質Blender より綺麗(村井の検証)UE よりやや劣る
キルト出力の手軽さMovie Render Queue の設定がやや複雑AliceLG プラグインで直感的に操作可能
レンダリング速度GPU リアルタイムレンダリングのため高速Cycles は時間がかかる(複雑なシーンで半日以上)
フォーカス調整直接調整不可。カメラ位置で間接的に調整AliceLG で描画範囲の開始・終了を直接指定可能
学習コストUE 未経験者にはハードルが高い比較的ドキュメントが豊富

まとめ: 3DGS 点群を扱う場合は UE が有利です。既存の 3D モデルからキルトを出力する場合は Blender のほうが手軽です。

AI補完: 3DGS 点群の品質を上げるコツ

Postshot で高品質な点群を得るには、入力動画の視点数と撮影条件が重要です。

  • 視点数は多いほど良い: Midjourney は Runway と比較して視点の多い動画を生成する傾向があります。オービット動画には Midjourney を推奨します
  • オービットプロンプトの工夫: Orbit shot around the object, camera moves left to right, object stays still のように、カメラの動きとオブジェクトの静止を明示してください
  • 実写撮影の場合: 被写体の周りを 360 度ゆっくり回りながら撮影します。急な手ブレは点群のノイズ原因になります
  • 動画の長さ: Runway の場合は 5 秒版を使用してください(10 秒だと Postshot でエラーが発生する場合があります)
  • データ量が大きい場合: iPhone 等の高解像度動画は、AfterEffects で品質を少し下げてから Postshot に入力すると処理落ちを防げます
  • アーティファクトの除去: Postshot で点群が生成されたら、選択ツールで散らばった不要な点群を手動で削除してください

AI補完: Movie Render Queue と Sequencer の違い

UE でキルトを出力する際に関わる 2 つの機能の役割を整理します。

機能役割キルト出力での用途
Sequencer(シーケンサー)タイムラインベースのアニメーション編集ツールレベルシーケンスを作成し、出力するフレーム範囲を指定する。静止画の場合は 1 フレームに設定する
Movie Render Queue高品質なオフラインレンダリング出力ツールSequencer で定義したシーケンスを元に、キルト画像・連番画像を実際にレンダリングして出力する

Movie Render Queue は Sequencer の上位出力機能という位置付けです。Sequencer 単体でもプレビュー的な出力は可能ですが、キルト画像のような高解像度出力には Movie Render Queue を使用してください。

なお、シーケンサーの「ムービーをキャプチャ」ボタンから直接出力する方法(松崎が使用)もあり、こちらのほうが設定項目が少なく手軽です。


参照元記事: 松崎「LKG×unreal」 / 村井「Postshot×UnrealEngineでキルト作成」