Appearance
AM3D プロジェクト概要
概要
AM3D(Anything Media 3D Player)は、あらゆる2Dメディアを Looking Glass ホログラムディスプレイで立体表示するためのシステムです。2D動画をクラウドのAIで深度推定し、立体映像に変換して再生します。
「事前処理した動画を再生するだけ」というメディアプレーヤーの思想を基本としつつ、クラウドAPI化によって iPad や一般PCからでも利用可能な構成を実現しました。
製品の位置づけ
AM3D と LKG 3DViewer は、インプットの種類で分離された別製品として整理されています。
| 製品 | 用途 | インプット |
|---|---|---|
| LKG 3DViewer | 3Dモデル表示専用 | GLB / FBX 等の3Dモデル |
| AM3D | メディアプレーヤー | 2D動画/画像、キルト、レンチキュラー |
AM3Dの処理パイプライン
【入力】2D動画(MP4等)
↓ (iPad / PCから操作)
【Step 1: クラウド変換】
端末 → Modal Cloud API (A10G GPU)
Video-Depth-Anything で深度推定
出力: RGBD SBS動画(左=カラー / 右=深度マップ)
↓
【Step 2: 端末側レンダリング】
RGBD SBS → 3Dメッシュ/シェーダーで立体化
→ マルチビュー(キルト)生成
→ Looking Glass ディスプレイに出力
↓
【Step 3: レンチキュラーエクスポート(目玉機能)】
キルト → LKG個体別キャリブレーションで最終合成
→ LKG専用MP4として保存(次回以降はAPIもUnityも不要)処理の役割分担
| ステップ | 処理内容 | 実行場所 |
|---|---|---|
| ① 深度推定 | 2D → 白黒デプス動画 | クラウドGPU(必須) |
| ② SBS結合 | カラー+デプスを左右並び | クラウドGPU |
| ③ メッシュ化+キルト生成 | SBSから3Dメッシュ→マルチビュー | 端末側GPU(iPad Pro M4でも可) |
| ④ レンチキュラー変換 | キルト→LKG個体別映像 | 端末側(キャリブレーションJSON必要) |
クラウドでやるべきは①②まで。③④は端末側でやるのが合理的であると結論づけられています。
AI補完
レンチキュラーエクスポートの価値: Looking Glass Studio(公式アプリ)はキャッシュ機能がなく、毎回キルト→レンチキュラー変換をリアルタイムで行うため、GPUが高負荷になります。AM3Dでは事前に変換済みMP4を生成して保存するため、次回再生時はAPIもUnityも不要です。保存・共有・アーカイブが容易になり、再生時のGPU負荷もほぼゼロです。
深度推定の限界(重要な注意点)
深度推定による2D→3D変換はあくまで補助的な機能です。
- 被写体がはっきり映っている映像(製品・建築物等)にしか効果が出にくい
- 会社紹介動画等の汎用映像は立体にならないケースが多い
- インプットの動画品質に大きく依存する
LKG本来の最適な使い方は 3Dモデルや CG 映像であり、深度推定は「どうしても2D素材しかない」場合の防衛ラインとして位置づけられています。
検討の経緯
2026年2月24日:社内説明会・方針決定
参加者: 金光、井釜信也、山本颯一郎、福田日菜子、江越健二
主な決定事項:
- AM3D と 3DViewer は別製品として整理する
- 深度推定処理はクラウドに移行する方針を確認
- クラウドでの処理は SBS(カラー+深度)までが現実的。最終的なレンチキュラー変換は端末側で行う
- iPadの制約確認:iPad Pro でもローカル深度推定はメモリ制限(Jetsam)で不可能
- 3月までに方向性を決定する目標を設定
- クラウド処理の費用を実際に検証する(山本担当)
AI補完
iPadOSのメモリ制限(Jetsam): iPadOSでは、アプリが使用できるメモリに厳しい上限(Jetsam Limit)があります。Video-Depth-Anything Largeモデルの推論に必要なVRAM/メモリ量はこの制限を超えるため、アプリが強制終了(クラッシュ)します。これが iPad でローカル推論ができない根本的な理由です。
2026年2月25日:クラウドAPI構築完了
山本が Modal(サーバーレスGPU)上に深度推定APIを構築。約30分でAPI化を実現。
- 15秒・226フレームの動画で実測:処理時間112秒、コスト約5円($0.034)
- API化により iPad からも HTTP POST するだけで利用可能に
2026年3月4日:iPad版開発着手
- クラウド深度推定のiPad向けアプリ開発に着手
- Windows版からの移植を開始(山本担当)
2026年3月6日:進捗報告・品質向上確認
参加者: 井釜信也、山本颯一郎 ほか
主な進捗と決定事項:
- 品質向上: 新モデル(VDA)導入で、従来の「プルプル」「ギザギザ」感が大幅に改善
- コスト削減: 15秒動画の処理が約5円まで低減
- API構築速度: Modal を利用し、API化を約30分で構築
- 動作環境の拡大: ゲーミングPCに加え、iPad Pro・一般PCでも処理可能な見通し
- アプリ公開・課金モデルの検討: 公開方法と課金モデル(買い切り/サブスク/従量課金)の整理を開始
- 新規製品検討: 映像ビデオ通話、ツーディーポインティング、資料送付機能の必須機能を整理
フォローアップタスク(3月6日時点)
- アプリ公開・課金モデルの方針整理 — 金光さんへの相談資料作成(山本)
- ビジョンサポート用デバイス選定 — 会話用デバイスの候補を3機種リストアップ(山本)
- Git情報共有の承認・確認(井釜、チーム)
端末構成と対応状況
| 端末 | ローカル深度推定 | クラウド深度推定 | ローカルレンダリング | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| ゲーミングPC | ◯ | ◯ | ◯ | 完成・安定稼働 |
| iPad Pro | ✕(写真◯) | ◯ | ◯ | 開発中 |
| 普通のPC(営業用) | ✕ | ◯ | △ | テスト予定 |
関連記事
- クラウド深度推定 API — API の技術仕様・エンドポイント・実装例
- クラウド GPU プロバイダー比較 — AWS / Azure / RunPod / Modal の選定経緯
- クラウド処理コスト概算 — 動画長さ別の処理時間・コスト早見表
- LKG Bridge 不要レンダリング — レンチキュラーシェーダーとキャリブレーションの技術詳細
- iPad Unity アプリ仕様 — iPad アプリの詳細設計・シェーダー・実装ロードマップ
- 事業計画 — 価格設計・収益シミュレーション・フェーズ別施策
Authors: 井釜信也 / 山本颯一郎 | Sources: AM3D方向性, 0224社内説明会, 0224議事録, 0306議事録, 0304 AI Enhanced: Claude — 2026-03-06